甘く苦い、毒牙に蝕まれて
「近藤、本当に……いろいろと、悪かったよ」
「だから、もういいって言ってんじゃん!今までの事はまぁ、お互い水に流すって事で」
お昼休みが終わりに近づき、そんな会話をしながら多崎と教室に戻った時。
白石と田辺が近づいてきた。
「2人ってさ、ほんとに和解したん?」
「何もなかったみたいに、普通に仲良くしてるよね?」
「あぁ、まぁ……いろいろあったけど、お互いにもう水に流そうって決めたから」
3人が話してるのを横目で見つつ、自分の席に座ろうとした時、白石に腕を掴まれた。
「近藤クン、マジでごめんっ!」
「えっ?」
「僕も、ごめんなさい」
「……」
2人が謝ってきて、しかも頭まで下げてきたんだから、もう何が何だか意味不明。