甘く苦い、毒牙に蝕まれて
「あの子は、彼女じゃないし。幼馴染だし」
「へーえ、真守くんって幼馴染がいるんだね」
「……最近は一緒にいないけど、でも、大切な子なんだ」
隣で菓子パンを黙々と食べながら、多崎は少し複雑そうな顔をしてる。
一方で白石は茶化すように「ヒューヒュー」と口にして、田辺は若干顔を赤らめている。
こうして過ごしていると、トイレでご飯食べたりしてた時が嘘みたいに思える。
だって今じゃ、田辺と白石、そして多崎と僕の4人でつるむのが当たり前になりつつある。
少しずつ時間が経っていって、大きく変化した日常をそれなりに楽しんでいる。
今はまだ少し変な感じがするけど、いつか、まひろちゃんと話さない事が当たり前になるのかもしれない。
時間の流れは、何もかもを変えていく。