甘く苦い、毒牙に蝕まれて




万桜は気にしないのかな?


自分が口をつけたストローに、私が口をつけたら間接キスになっちゃうのに。



それとも、いちいち間接キスだって気にしてる私の方が変?




悶々と考えながら、教室まで戻った。



「あ、お帰りまひろ」


「あれっ、顔赤いよ?何かあったの?」



顔が赤くなってる事に、指摘されて気づいた。

そっと頬を触ってみると確かに熱い。


こんな事で赤くなっちゃうなんて、私って単純?



座って、再びジーッとジュースを見つめた。

ドキドキしつつ、そっとストローに口をつけた。


口の中に広がる甘い味は、私の好きないちごミルク。


万桜もいちごミルク好きなのかな?



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