甘く苦い、毒牙に蝕まれて
「ねぇ、まひろってさ如月くんに告白しないの?」
「っ!?なっ、何っ、急に」
友達の突発的過ぎる発言に、いちごミルクを噴き出しそうになった。
「まひろって如月くんの事、好きなんでしょ?」
「……ん」
わー!!
私の気持ち、バレてる!?
ってか、私って傍から見たら万桜の事が好きってバレバレなのかな?
「私の予想では、如月くんは絶対まひろちゃんに気があると思うなぁ」
「私もそう思うっ!2人、両想いなんじゃない?さっさと告白して付き合っちゃえば~」
「確かに私、万桜が好きだけど……」
好きだけど……。
正直なところ、告白とか考えた事なかった。
最近いろいろあったし、そういう事を考える余裕もなかった。
それに……。
「告白は、今のところ……する予定は、ないかな」
「えー!マジで?」
万桜が私をどう思ってるかは、わからない。
私が彼に抱いてるのは恋愛感情の「好き」だけど、彼は私の事を単なる友達としか思ってないかもしれない。
そうだった場合、告白したら当然フラれる。
フラれた後はもしかしたら気まずくなって、友達ですらいられなくなる恐れもある。
そんなの絶対に嫌。
万桜のそばにいられなくなるなんて、考えられない。
とにかく今はまだ、友達のままでいい。