甘く苦い、毒牙に蝕まれて
それから、4人でゲームしたり、おしゃべりしたりしながら過ごしてるうちに夏祭りが始まる時間になっていた。
祭りが開かれている場所に行くと、たくさんの屋台がずらりと並び、既にたくさんの人が集まっていた。
夏の暑さと、人の熱気で、薄っすら汗が滲んでくる。
「なぁなぁっ、まずは何する?やっぱ金魚すくい?あっ、それともかき氷か……いやいや、焼きそばも捨てがたいしな」
白石はかなりテンションが上がっている様子。
全く、元気な奴め。
「白石、落ち着きなよ。暑いし、とりあえずかき氷食べない?」
「辺ちゃんの意見に賛成っ!んじゃまずはかき氷っ!」
「ほら近藤、行くぞ。迷子になるなよ?」
「そーいう多崎も気をつけろよ?」
かき氷の屋台を目指し、人ごみの中を歩いていると、同じクラスの奴らの姿がちらほら。
やっぱみんな、こういうイベントが好きなんだな。
そんな呑気な事を考えていた時、ある光景が飛び込んできたので、思わず足を止めた。