甘く苦い、毒牙に蝕まれて



……そうだ。

告白しよう。


万桜を他の人に取られるなんて絶対に嫌。


だから、想いを伝えてしまおう。


私はそう決心した。








お昼休み、私は友達に告白すると決めた事を報告した。



「おっ、やっとその気になったかぁ~」


「がんばれ~。如月くん、絶対まひろちゃんの事好きだと思うよ?」


「ありがとう」



友達は明るく背中を押してくれた。

そんな話をしている時、



「なぁ、まひろー」


万桜が急に話しかけてきた。

つい驚いて「うひゃっ!」と変な声が出た。



「な、何驚いてんだよ」


「ごめん、ちょっとね……」


今の会話、聞かれてないよね?



「一緒にジュース買いに行かね?」


「う、うんっ。行こう」


カバンから財布を出してポケットに入れて、万桜と一緒に教室を出た。

教室を出る時、振り返って友達の方を見ると、2人とも笑顔でガッツポーズをしていた。


もしかして今が、告白するチャンス?



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