甘く苦い、毒牙に蝕まれて
歪んでいく恋情
【まひろSide】
結局そのまま、次の授業はサボってしまった。
どうにか涙を引っ込めたものの、全く気持ちの整理ができないまま教室に戻った私に友達が心配そうな面持ちで駆け寄ってきた。
「まひろちゃんっ!戻ってこないから心配したよ」
「ってかあんた、目が赤いけど大丈夫?」
「……」
「……如月くんに告白、したんだよね?どうだったの?」
「ダメだった。フラれちゃったの……」
友達2人は驚いた表情を見せた後、遠慮がちに「そっか」と呟いた。
チラリと万桜の方を見ると、何もなかったみたいに平然と、次の授業の準備をしていた。
「正直、絶対両想いだと思ったんだけどな……」
「うん。2人、ほんとにすっごく仲良いしね……」
フラれたけど、こんなの納得いかない。
このままあっさり万桜を諦めるなんて、できない。
諦められないよ……。