甘く苦い、毒牙に蝕まれて
ずっと、あの頃のまま


2学期を迎えて早数日。

今までの僕なら長い休みが終わった後は、とにかく憂鬱な気持ちになっていた。


学校なんか別に行きたいわけじゃない。

もっと休みが欲しい。


……などと、嘆いてばかりだった。



「真守くん、この本貸してくれてありがとう」


「田辺は読むのが早いな」


「ラノベは読んだ事なかったけど、意外と面白いねー」


「俺は読書って苦手だな~!集中力が続かねーもん!な、多崎チャン」


「……白石、お前と一緒にするなよ」



でも今は、不思議とそんな事は全く思わない。

学校を苦痛だと思わなくなったのは、まぎれもなくこいつらがいるからだろう。


毎日、怖いくらい平穏。

だけど少し、引っかかる事がある。


ちょっと前までは、まひろちゃんと如月が一緒にいる姿を目にする事がたびたびあったが、今では全然見なくなった。


でも多分、2人は今でも変わらず仲良くしてるんだろう。



もしかしたら、友達以上の関係に進んでるかもしれない……。

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