甘く苦い、毒牙に蝕まれて



悔しいが、明らかに如月とまひろちゃんは良い雰囲気だった。

いつ恋人同士になっても不思議ではなかった。


何で……どういうつもりなんだよ、如月……。



「てっきり、如月は笹川まひろとくっつくと思ってたのに、そうだったのか。宮原律夏と付き合ってるなんて、初耳だな」


「真守くんも多崎も知らなかったの?あの2人が付き合ってるって話もかなり有名だよ?宮原さんがあちこちで言いふらしてるから」


「そんで、笹川チャンが宮原チャンに「泥棒猫」とか、「彼を返して」とか言って掴みかかって、周りが謝れって言っても、絶対謝らなかったんだって」


「……僕の知らない間に、そんな事が」


「その事がきっかけで、友達とは距離ができて、クラスで浮いた存在になっちゃったらしい」



全然、知らなかった。

如月は何を考えてるんだ?

まひろちゃんじゃなくて、他の女とくっつくなんて。


そもそも、まひろちゃんも酷い……。

いくら決別したとはいえ、そんな事があったなら……ちょっとくらい相談してくれても……。



「じゃあまひろちゃんは、クラスで……1人に……」


こういう時、どうすれば……。


< 199 / 200 >

この作品をシェア

pagetop