甘く苦い、毒牙に蝕まれて
生じ始めていたモノ
【まひろside】
「まひろちゃん、大丈夫?」
「うん……」
真守くんが行った後、友達が心配そうに駆け寄ってきてくれた。
「ねぇ、まひろちゃんって、あの子と付き合ってるの?」
「違うの。そんなんじゃないから」
「じゃあ単なる友達?」
「うん……」
私と彼が付き合ってる、と誤解されるのはよくある事。
誤解されるのも無理はない。
彼は本当に、私にベッタリなんだから。