甘く苦い、毒牙に蝕まれて
静かな序章
「あっ!」
「……嘘」
時は流れて、高校2年生の春。
クラス替えという憂鬱で重大なイベントを迎えていた。
廊下に張り出された新しいクラス表を見て絶句した。
「クラス、別れちゃったね……」
まひろちゃんは3組。
僕は1組。
見事にクラスが別れてしまったわけだ。
「最悪っ……」
去年は同じクラスだったのに。
「今年の学校生活、終わったな。まひろちゃんが一緒じゃないとか、絶望的だし……」
「あはは、大袈裟だってば~」