甘く苦い、毒牙に蝕まれて
学校は、まひろちゃんと一緒にいる時以外は地獄でしかない。
まひろちゃんがいるから、行ってるってだけで……。
あーあっ。
来年こそは、まひろちゃんと同じクラスになれんかな……。
「次は……歴史か。だるっ」
休憩時間にトイレに行って、手を洗ってため息をついた。
急に後ろから、肩をポンッと叩かれた。
「近藤くーん」
「……」
異様に明るい声で名前を呼ばれて、ゆっくり振り向いた。
「……あんた」
立っていたのは、同じクラスの奴。