甘く苦い、毒牙に蝕まれて
こいつ確か多崎の友達だ。
金髪に、ピアスに、着崩した制服。
ネクタイしてないし……。
「えっとー、俺の名前、わかるかな?」
「……」
こいつ……誰?
思い出せん。
「えっと……金髪頭のいかにも馬鹿そうな奴」
「呼び方酷過ぎ!名前覚えられてないって悲しいなー」
変なのが絡んできたな。
面倒だからスルーして、トイレから出た。
「あ、待ってよー。近藤くーん!」
追いかけてきた。