甘く苦い、毒牙に蝕まれて
【まひろside】
いきなり現れた、いかにもチャラそうな風貌の泉川くん。
気のせいかな。
一瞬だけど、この子に睨まれた気がしたのは。
「近藤くん、いちごミルク飲む?」
「いらない。あっち行けよ」
「俺も仲間に入れてよ」
「ちょっ……いちいち触るなっ!」
少し怖そうな子だけど。
真守くんと友達になってくれないかな。
そうなれば……もう私は、真守くんのそばにいる必要がなくなるかもしれない。
都合の良い考えが頭の中を支配した。