甘く苦い、毒牙に蝕まれて
自分の教室に行くと、みんな友達と楽しそうにおしゃべりしてた。
始業式当日にも関わらず、教室は騒がしい空気に包まれている。
うるさい……。
自分の席に座って、カバンから本を出して読書を開始した。
周りのぺちゃくちゃ話す声が耳障りでたまらない。
「なぁ!お前、何読んでんの?」
頭上から声がして、顔を上げると、1人の男子生徒がすぐ目の前に。
「その本、面白いん?」
「……」
「お前、なんて名前?」
「……」
シカトを続けてたら、飽きたのか、すぐ「つまんねー奴」って言って友達の所に戻って行った。