甘く苦い、毒牙に蝕まれて





「本当に最悪っ……今日も泉川の奴がしつこく絡んできたし……」


「あ、あの、真守くん」


「ん?」


「髪型さ」



話題を変えた。

険悪な空気を拭いたかった。




「たまには、変えてみてもいいかな?例えば、ポニーテールとか……」


「……は?」



あ、ダメだ。

言わなきゃよかった。




「まひろちゃんは今の髪型が1番似合うんだから……変えたらダメだよ。ずっとそのままでいて」


「……」


「何もかも、ずーっとこのままでいいんだから」



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