甘く苦い、毒牙に蝕まれて
初めてだった。
真守くん以外の男の子と仲良くなったのは。
だから、如月くんが転校してきてからは、毎日が少し楽しくなってきた。
「まだホームルーム始まるまで時間あるし、俺がアレンジしてあげるよ」
「へ?あっ!」
手際よく、解かれた髪の毛。
如月くんは近くにいた女の子からブラシを借りてきて、私の髪をといた。
優しく触れる、温かい指先。
慣れないシチュエーションのせいかな?
心臓がドキドキ騒いでる。
「よし、できた!」
「あ、じゃあ、鏡で見てくるねっ!」