甘く苦い、毒牙に蝕まれて
「普通に考えて、全く釣り合ってないもんね。あんたと近藤くん」
あ、まただ。
悪意があるような冷たい目。
「近藤くんにつきまとう、目障りな女だなって思ってたんだ。たいして可愛くもないし、鬱陶しい女だなって、見ててイライラしてた」
「っ……」
明らかに、向けられた敵意。
私、この人に嫌われてる。
「あんま……近藤くんにまとわりつかないでね?じゃないと俺」
痛いくらいの力で肩が掴まれた。
泉川くんは無表情で私に顔を近づけてきて、
「キミに何するか、わからないから。気を付けてね?」
耳元で物騒な言葉を残して、去って行った。