甘く苦い、毒牙に蝕まれて
「……何よ、あの子」
後に残ったのは、モヤモヤだけ。
私は好きで真守くんといるんじゃない。
つきまとってない。
むしろ、つきまとってきてるのは真守くんの方じゃん。
何で私があんな事言われなきゃいけないの……。
「まひろちゃーん」
4時間目の授業が終わって、いつも通り真守くんはうちのクラスに来た。
「あ、真守くん……ご飯、食べようか」
作り笑いを浮かべて。
お弁当を持って真守くんに駆け寄った。