甘く苦い、毒牙に蝕まれて
「……その頭」
私の髪型を見て、やっぱり真守くんは不機嫌になった。
予想してた反応ではあるけど。
「ちょっと、気分転換に……」
「……」
「えっ」
真守くんは無言で私の腕を掴んで、スタスタと歩き出した。
連れてこられたのは、使用してない空き教室。
「まひろちゃん、僕、言ったよね?髪型、変えたらダメだって」
「そうだけど……」
「ツインテールが似合ってるのに。何で……」
「痛っ……」
真守くんは怒った顔をしながら、1つに束ねられた私の髪の毛を乱暴に引っ張った。