甘く苦い、毒牙に蝕まれて
「とにかく、どっか入って座ろう」
近くにあったカフェに入って、とりあえず一息。
久々の寄り道だな。
「まひろ、本当の本当にあいつと付き合ってないの?」
向かい側に座る彼は頬杖をついて、ジーッと射貫くような視線で見つめてきた。
「本当だってば」
「そっか。んじゃ、友達以上恋人未満な関係ってとこかな」
私達の関係が一体何なのか、こっちが知りたいくらい。
「でも、異常過ぎると思うんだけど。あの子の……独占欲」
私も、そう思う。
異常過ぎて、一緒にいて息が詰まるくらい。