甘く苦い、毒牙に蝕まれて
「確かに、近藤くんは異常なとこがあるし、まひろが鬱陶しいと思うのも無理ない」
如月くんは「でも」と言い、少し険しい顔をした。
「まひろにも問題があると思う」
強めの口調で言われた。
私は何も言い返せなかった。
「近藤くんに甘過ぎるんだよ。一緒にいるのが嫌なら、もっとハッキリした態度を取らないと」
見事に図星。
私は今まで、真守くんに本音を吐き出した事なんてなかった。
言おうとしてもすぐ、引っ込めてしまう。
それは私が弱虫だから。
もし本音をぶつけたら、きっと真守くんは怒るだろう。
そしたら、何をされるか……。
もし昔みたいに、不登校の引きこもりになったら、彼の家族に迷惑がかかってしまう。