甘く苦い、毒牙に蝕まれて
おいおい。
傍から見たら、思いっきり誤解されるだろうが。
「離せっ……気持ち悪いんだよっ!僕に触るのはやめろっ!」
「あ……」
どうにか、泉川の腕を振り払った。
なんの意図か知らないけど。
こいつはやたら絡んでくる。
いちいち触ってくる、気持ちの悪い奴。
「素っ気なくしないでよ。クラスメイトなんだから、仲良くしよ?」
こんな奴、無視するのが1番。
とにかく今日は1人で帰ろう……。
僕が歩き出すと泉川は「待ってよ」と言ってついて来た。