甘く苦い、毒牙に蝕まれて
「とにかく……ちょっと」
腕を引っ張られて。
何故か教室の隅に。
「あんたと話したくないんだけど……」
「俺だって、あんたの事気に食わないけど……あのさ、あんた最近、幸希と仲良いみたいだけど」
「はぁ!?そんなわけないだろ」
あいつと仲良くとか、冗談じゃない!
「あんたにわざわざ警告してやるのは少し癪に障るけど……幸希には、気をつけろよ?」
「は?」
「あいつは……マジでヤバい奴だから」
意味不明な事を言って、多崎はそそくさと友達の方へ戻っていった。