甘く苦い、毒牙に蝕まれて
昔は、僕が独占してた。
あの向日葵みたいな可愛い笑顔。
でも今は、如月が独占してる。
今はもう、まひろちゃんは僕の前で楽しそうに笑ってくれない。
「……そんなに、あいつが、いいんだ」
胸が切なく、苦しくなってきて。
見てられなくて、自分の教室に戻った。
戻った瞬間に泉川が「近藤くーん」とまとわりついてきたが、今は追い払う元気もなかった。
僕らの関係は明らかに変わろうとしてる。
……でも。
僕は現実を受け止めるのが嫌で。
結局、目の前の現実から逃避してばっか。