甘く苦い、毒牙に蝕まれて
今までずっと真守くんと一緒にいたから。
真守くん以外の人……万桜と過ごす時間が私にとっては、とても新鮮に感じられた。
……ただ。
万桜との距離が縮まると同時に、真守くんとの距離は徐々に広がってる事も私は実感していた。
「ふーん。今日は近藤くん、休みなんだ」
「うん……そうみたい」
今日は真守くんが学校を休んだ。
内心ホッとしてる自分がいる。
最低だな、私。
「んじゃ、まひろ。今日の昼、一緒に食べよ」
「うん。中庭で食べようよ!あそこね、日当たりが良くて穴場なんだ!」
……真守くん、中学の時みたいに不登校になったりしないよね?