甘く苦い、毒牙に蝕まれて
さすがにもう高校生なんだから。
よっぽどの事がない限り、登校拒否を起こすなんてないはず。
私は心の中で何度もそう言い聞かせた。
「あー、やべ。ここにいたら眠くなってくる」
お昼休みになって。
万桜と2人で中庭のベンチに座ってご飯を食べた。
お弁当を食べ終えて、万桜は伸びをして大きなあくびした。
「昼寝したくなってきた」
「じゃあ少し寝たら?」
「やだ。まひろとおしゃべりしてる方が楽しいから」
にっこり笑って、私の肩にもたれかかってきた。