甘く苦い、毒牙に蝕まれて
明らかに悪意のこもった嫌味を残して、泉川くんはそそくさと去って行った。
「何、あの子。感じ悪っ」
「真守くんと同じクラスの子」
「見た目チャラいし、嫌味っぽいし……嫌な感じの子だな」
なんとなくだけど。
泉川くん、私の事が嫌いなんだろうな。
でも私、ビッチなんかじゃないのに。
「まひろ、もしあいつに何かされたらすぐ言って。俺が仕返しするから」
「ありがとう……」
「それより、まひろ」
色っぽく呟く声。
この声、聞いてて心地良い。