甘く苦い、毒牙に蝕まれて





「あの、これ、プリント……」


カバンからプリントを出して、それを彼の目の前に差し出した。



真守くんは乱暴に受け取った。


見たところ、欠席理由は体調不良ではなさそうだけど。




「学校、最近休んでるよね……?」


「行く気しないから」


「あんまり休むと、留年する事になるよ?学校、おいでよ……」



真守くんは何も言わない。

私は居心地の悪さを感じつつ、床に座った。





「……まひろちゃん、あの子の方がいいんでしょ?僕より、あの子が」


やっと口を開いた。

かと思えば、またその話。



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