正義の味方に愛された魔女3
隼人から電話があった時、やっぱり無理にでも閉店までいてもらえば良かったと思った。
三人を視ると何があったか把握するのに時間はかからなかったけど、対処の仕方が…。
《ねー隼人、あんたと同じ高校の制服、視えるんだけど…》
《だよね?19歳って言ったのは嘘じゃなさそうだから、不登校で留年中の高校生?中退…かな?
どっちにしろ未成年か。どうする?》
《……龍二を待とう》
110番通報すれば、ここなら駅前の交番から巡査がすぐに来てくれるだろうが、
ここはやっぱり龍二の帰りを待ちますか。
連絡をいれると、『すぐ帰る!』と…。
いやいや、凶悪犯じゃなさそうだから、なんなら皆でご飯でも食べて待ってるよ。
だけど本当にすぐ帰って来ちゃいましたねぇ。
「ただいま!百合、沙耶ちゃんはどんな具合だ?
おー!隼人、活躍したな…」
「龍二……おかえりなさい。
沙耶ちゃんはあそこの隅っこ。
この子は19歳の未成年。
あんまり話してくれないの。(視えるけどね)
……どうしたものでしょね?」
沙耶ちゃんはキッチン側に寄ってダイニングテーブルの前に座っている。
怖かったと言うより、気持ち悪かったんだよね。得体の知れない気味悪さ、ね。
「沙耶ちゃん、この子、何もしないと思うから、もうこっちにおいでよ」
やっとこっちに来て、男の子から一番遠いソファの端に座った。