正義の味方に愛された魔女3
鍋の豚汁が半分ほどになった時、大男がもそっと現れた。
イケメンのアラフォーがブサメンのオヤジになってるね、はい。お髭剃って髪の毛ちゃんとしようね。
「……変わったこと無いか?ん、なんか良い匂い……おー!百合ー。おはよう!」
ちょっと待て!龍二!
ここで抱き締める癖は絶対マズイでしょ。
こ、こら!流石にチューはダメだよ!
おやおや……みなさん気を遣ってくださって、(それとも見るに耐えない気持ち悪さだから?)
こちらに背中を向けていらっしゃる…。
「差し入れかぁ。ありがとう。みんな食ったか?……みたいだな、旨かったろ?
悪いな百合、帰るのいつになるか判らん」
《進捗状態を教えるわけにも行かないんだ。ハッカーが絡んで来やがって……。
またややこしい事件を起こしてくれたもんだ》
「いーよ……着替え、三日分持ってきたし。ここに龍二が居るよ?」
私は自分の左手をかざして見せた。
「そうそう、乙女のモウソ『妄想じゃないよ!』……だったな」
《必ずこのヤマ解決して帰るから、心配しないで待ってろ。
愛してるよ、百合》
「うんうん、解ったからね、もう離れようか……」
「ボ、ボ…ス?そろそろそっち向いても良いでしょうかね?」
あちゃー!
みなさん向こう向いたまま動かないで待ってたんだ、すみませんでした………。