正義の味方に愛された魔女3
「今日は助けていただいて、今も送って下さって、本当にありがとうございました。

何だか嫌な目に遭った気がしないんです。

あの人に言われたりされたりした事より、
隼人さんにしてもらったり言ってもらった事の方が、
ずっと印象深いです……」

《地獄で素敵な悪魔に会ったようだったし。

百合さんのお宅であの人の気持ちを視たんでしょうね……なんか怒ってくれて、
すごく頼りになる素敵な人…。

今まで憧れだけで終わった人は何人かいたけど、
そういう気持ちとこの気持ちは違うでしょ?

やっぱり私は、もっとずっとちゃんとこの人を……》


「ど、どういたしましてー!
あの、さ、相手が腕っぷしの強い奴じゃなくて、良かったよね?

母さんの所で視たけど、アイツ歪んだ気持ちで沙耶ちゃんのこと強烈に好きみたいだから、
一回くらい軽く制裁受けたとしても、これから安心って訳でもないだろ?

なんかあったら大変だから、帰りに駅で一度母さんに連絡いれるとか、続けた方がいいよ。
心配だし」


「あ、はい、そうですね、連絡は続けるようにします。
気にかけてくれてありがとうございます。
そういう優しいところが……」


あぁあ…なんだか、さっきから駄々漏れで本気が視えるんだけど……。
今のところ騒いでるだけじゃなかったのか?
なんで急に……あぁ、これが、つり橋効果ってやつか。


俺は?…俺は妹みたいに思ってるだけだろ?違ったんだろうか……。


確かに俺が出会いたかった…天使みたいな子…なんだよな、この子は。


どうする?俺。
言っとかないとなぁ。悪魔な俺の本性。


あ………ダメだ、流れ込んで来たゎ。


いいよ、ぶつかっておいで…。泣かせたらごめんな。




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