正義の味方に愛された魔女3
最近、沙耶ちゃんが、前にも増して可愛らしい。
ちょっと大人っぽくなったかな?
やるねぇ隼人……。
手を出さずして女を変える…か。
「……………ふぅん、楽しそうにしてて良いわ良いわ。うん。
ところで、沙耶ちゃんって相変わらず隼人に敬語なの?」
「隼人さんにタメ口なんてハードル高くて…」
「隼人のハードルなんて10センチかそこらでしょ。
まぁ、好きなように話せばいいけど、もっと気楽にしてもいいのにな…。
なんだか隼人を美化しすぎてる気がするの。あとでガッカリしても知らないよぉ?
カッコ悪かったり情けなかったりスケベ野郎な隼人、見たことないんでしょ?
隼人め、カッコつけてると今に嫌われるのに」
「ほんとに百合さんは隼人さんに辛口ですよね。
カッコ悪くても情けなくてもスケ……どんな隼人さんでも好きですから!嫌いになんてなりませんから!」
もー、ほんとに可愛いなぁこの子。
「あのね、次の店休日に、恥ずかしながら再婚記念写真を撮ることにしたの。
それで、沙耶ちゃんにも入ってもらいたいと思うんだけど、来てくれる?よね?」
「えっ?だって、そういうのは新郎新婦で撮るものじゃ……家族写真も撮るんですね?でも私まで、いいんでしょうか…」
「いいのいいの、どうせ将来は家族みんなの思い出になると思うし」
《将来……?》
憧れるよね…。きっとそうなると思うんだ…。
「そっ。将来。
それで、この前のご親戚の結婚式で何を着たの?」
「……えっ?……あ、はい、あの時は水色のシフォンのミニドレスでした」
「あらそれ可愛いでしょうね。それ着て絶対参加してちょうだいね?
美容室でバッチリ綺麗にしてもらってさ。
はい、これ必要経費」
「あ、あの、はい、お言葉に甘えて参加はさせていただきますね。
でも経費は……この前だって、自分で編み込みして済ませましたから」
「えー?だって、隼人と一緒に撮るんだよ?記念撮影だよ?隼人と。
綺麗にしておいでよ」
「いやいや、メインは百合さん達ですから……。
でも、解りました。お祝いの気持ちで、出来るだけ見映え良くしてもらってきますね、ありがとうございます」
「ふっふっふー。楽しみにしてまぁす」