正義の味方に愛された魔女3
純白のウェディングドレスには抵抗があって、薄いパープルのドレスにしようかな?と相談したら、
龍二が『絶対白!白以外ダメ!』と言うので……。

着たけどね…。出来上がりましたけど…。


「ねえ、龍二……。
なんとか言ってよ…やっぱり純白のウェディングドレスは無理だった……?」


スタジオに入ると、先に着替え終わって待っていた龍二は
私を見て黙って立っているだけで、何も言ってくれない。


もう!視てやる視てやる!


《勘弁してくれ……想像していたのと違うぞ。
百合、いくつだっけ?何でそんなに綺麗で可愛くなっちまうんだ?
あぁ…驚いて…誉めるの忘れてた。ごめん》

「信じられないくらい綺麗だよ…。俺、こんな百合を見られて幸せだ…」


「ありがとう。よかった……。
何も言ってくれないから失敗だったかな?って……。
一瞬、やっぱり純白なんて着なきゃよかったって思ったよ……。

龍二、それはドレスとヘアメイクのマジックよ。
結婚式の時の花嫁さんは誰でも、みんなが見とれるくらい綺麗でしょ?

龍二のタキシードだって、外国人みたいでカッコいいよ……」


さっきが武士ならこっちは騎士かな…?


「……いや、いやいや……。
俺の花嫁さんが…俺の百合がもともと一番、綺麗で可愛いんだ!」


はいはい、とんだ旦那バカでごめんなさいね、カメラマンさんも呆れるでしょ?


「本当に。こんなモデル級のご夫婦を撮らせていただけて、今日は仕事が楽しいですよ」


おや、触れないから視えないけど、ありがとうございます。


「ウェディングの撮影には珍しい年齢で、手こずらせてすみません……。

このあと、初々しい女の子とその連れが来ますので、そっちも腕をふるって素敵に撮ってあげてくださいね」




またまた龍二は、私一人の撮影を嬉々としてスマホで撮っていた……。






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