それでも君が
そう言えば…。


「浩二!あんたそろそろ身を固めるつもりないんか!」

「ひろ子ちゃんとの進展は?」

「はー私は孫の一人も抱けんのかねー」

「あんたの同級生のヒロシ君、三人目産まれたらしいわよ」



あー。
完璧に母さん催促してたわ。
ここ一週間だけで、これだけ母さんに言われてるんだ。


「34歳独身って、そんなにダメなこと?」
「僕30ですけど、次の彼女できたら結婚したいっすよ」


藤堂は鼻の穴を膨らませ、何故か誇らしげに胸を張った。
チャラい見た目と同様に、定期的に彼女が代わる奴が結婚できんのかよ。
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