それでも君が
新しい気遣い
相川さんは、とにかく会社に馴染むのが早かった。
二週間足らずでおじちゃんおばちゃん連中のハートを鷲掴みも良いとこ。
休み時間になれば、何かしらお菓子を貰って談笑って言うのがデフォルトだ。


「なっちゃーん!飴ちゃんあるよー!」
「わー嬉しいー」
「なっちゃーん!クッキーあるよー!」
「わー美味しそー」


細い体からは予想も出来ないほどの大食いで、おやつも出されたものは全て食べきるし、昼御飯の弁当も男子高校生みたいなドカベン2段食べる。
しかもがっついてるんじゃなく、吸い込まれるように綺麗に食べる。
見てて気持ちの良いたべっぷりなので、おばちゃん連中がこぞって餌付けするのも頷ける。


「いやぁ、こんなに貰ったら太っちゃうなぁー」
「なっちゃん痩せすぎだから!
もっと肥えていいんだよ」
「稲吉さんみたいに?」
「あら!あははは!」
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