それでも君が
捨てられる…。
この年で彼女無しなんてお一人様確定じゃないか。
阻止すべく、慌てて彼女の手を両手で掴んだ。


「結婚したくない訳じゃ無いから!
しよう!うんうん結婚しようよ!
ほらハワイで結婚式とか憧れるって…」
「あのね」


振り返りもしない彼女から、起伏の無い一定のトーンで俺の言葉は遮られた。


「お前でいいや結婚しようじゃなくてね、お前が良いよ結婚しようって言われたかった」
「あ…」
「振られるくらいなら結婚しとくか、なんて死んでも嫌」


一定のトーンは、震え声に変わった。
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