課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜
「しかし、そうかそうか。
 真湖はこれで相手が決まったか」
と礼子は言い出す。

「いや、ごめん。
 なにも決まってないんだけど」

「いや、さっさと決まって。
 あんた、案外、モテるから。

 で、社内公認カップルになってよ」

「礼ちゃん、しゃべらないでよ、余計なこと」

 なんか酔った弾みとかでしゃべりそうだなあ、と疑わしく礼子を見る。

「課長とは、本当に一緒に絵を見に行っただけなんだから」

「はいはい。
 でもさ、課長って、よっぽど気に入った相手じゃないと、人と行動共にしそうにないんだけど」

「いや、それが、意外と友達居るみたいなのよ」

「そういえば、花田さんともいつも一緒に居るね。
 花田さんもいいよねー。

 課長と違って、感じもいいし」

 それは、課長が、感じ悪いってことだな。
 まあ、そうなんだけど。

 なんとなく、かばいたくなる。
 自分もそう思ってはいるのだが。

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