恋を紡ぐ
「あんたはばかなの!?」
次の日私に降ってきたのは予想通りの怒声。
「だ、だって……」
「だってもへったくれもあるか! そんな場面に遭遇したらチャンスなのよ! 勢い余って迫るくらいはしないと!」
「む、無理だよう!」
私はばたばたと顔の前で手を大げさに振った。
「それくらいの気持ちでいかないと、告白なんてできないわよ。麻紀(まき)が告白するって決めたんでしょ?」
「そうだけど……」
恵の言葉に俯いてしまう。
「まあでも、びっくりしたのよね。それで逃げ出しちゃったのよね。気持ちはわかるわ」
私より10センチは優に高い親友の片桐恵(かたぎりめぐみ)が優しく頭を撫でてくれた。
「麻紀は男の裸なんて見慣れてないし、好きな人のなんて、そりゃあ直視できないわよね」
「うん……」
今思い出しても顔から火が出そう。
思いがけず見てしまった。はだけたワイシャツから覗く透明感のある肌、綺麗に割れた腹筋。
普段見ている制服姿からは想像もつかないその姿に見とれそうになって、恥ずかしくなった。自分とは違うものを持っている男の子なんだって改めて思わされた。
目の端に見覚えのある姿を見つけて、その方向に顔を向ける。
平坂くんだった。
次の日私に降ってきたのは予想通りの怒声。
「だ、だって……」
「だってもへったくれもあるか! そんな場面に遭遇したらチャンスなのよ! 勢い余って迫るくらいはしないと!」
「む、無理だよう!」
私はばたばたと顔の前で手を大げさに振った。
「それくらいの気持ちでいかないと、告白なんてできないわよ。麻紀(まき)が告白するって決めたんでしょ?」
「そうだけど……」
恵の言葉に俯いてしまう。
「まあでも、びっくりしたのよね。それで逃げ出しちゃったのよね。気持ちはわかるわ」
私より10センチは優に高い親友の片桐恵(かたぎりめぐみ)が優しく頭を撫でてくれた。
「麻紀は男の裸なんて見慣れてないし、好きな人のなんて、そりゃあ直視できないわよね」
「うん……」
今思い出しても顔から火が出そう。
思いがけず見てしまった。はだけたワイシャツから覗く透明感のある肌、綺麗に割れた腹筋。
普段見ている制服姿からは想像もつかないその姿に見とれそうになって、恥ずかしくなった。自分とは違うものを持っている男の子なんだって改めて思わされた。
目の端に見覚えのある姿を見つけて、その方向に顔を向ける。
平坂くんだった。