恋するサクラ
角でぶつかったことは、覚えていないみたい。
あの日は髪の毛がボサボサで、口紅もはみ出ていたから覚えていて欲しくはないけどね。
「こんなにたくさんのオレンジ、どうするんですか?」
「今度の展示会で、花を活けることになって、……あ、僕 花屋なんですが……」
知ってます。フフ
「その飾りに使いたくて」
「へえ、見に行きたいです」
「よかったら来てください。僕の花屋、そこをまっすぐ行って3つ目を曲がったところなんです」
知ってまーす。フフフ
「今度、お花買に行きますね」
「ありがとう、それじゃあ」
さっそうと歩く、姿勢のいい背中がまぶしい。
ああ、名前聞くの忘れた。
あの日は髪の毛がボサボサで、口紅もはみ出ていたから覚えていて欲しくはないけどね。
「こんなにたくさんのオレンジ、どうするんですか?」
「今度の展示会で、花を活けることになって、……あ、僕 花屋なんですが……」
知ってます。フフ
「その飾りに使いたくて」
「へえ、見に行きたいです」
「よかったら来てください。僕の花屋、そこをまっすぐ行って3つ目を曲がったところなんです」
知ってまーす。フフフ
「今度、お花買に行きますね」
「ありがとう、それじゃあ」
さっそうと歩く、姿勢のいい背中がまぶしい。
ああ、名前聞くの忘れた。