恋するサクラ
「それではまた、近いうちに店の方に打ち合わせに来てもらうことになりますので、よろしくお願いします」



 茫然と立ちすくむ私に最大の笑顔で帰って行く佐倉さん……。

 そして飛んでくる真紀。

「すごいじゃん、桜!あの人と仕事できるなんて、もう運命としか言いようがないよね!」

「……うん」

「どうしたの?」

「いや……名前が」

「そうそう!「海野 貝」じゃなくて、なんだった?」

 私はもらった名刺を真紀に渡した。

「えーっと、佐倉恭吾……すごい!サクラだって!ほんと絶対運命の人よ!」

「いやいや、真紀。よく考えてよ。私この人と結婚したら、「佐倉 桜」「サクラ サクラ」だよ?」
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