恋するサクラ
決心
その時、ドアの開く音がした。
誰だろう、部長かな。
振り向く時間も惜しい。
「大変だね」
その声……
振り向いたら恭吾さんだった。
私は思わず飛びついた。
「ごめん……ごめん……」
恭吾さんが私を抱きしめた。
「え?いやだよ?僕、森野と別れないよ」
「え?!別れないよ!」
「だって謝るから」
「ちがうの、プロポーズ、はぐらかしてばっかりで、ごめん」
恭吾さんは、私から体を離した。
やっぱりそのことで怒っているの?
「そのことなんだけど……」
「あの、私!」
「森野になってもいいよ」
「佐倉になってもいいよ」
同時に言葉が出て、笑っちゃった。