恋するサクラ
たしかめる
真紀に言われてちょっと悔しくなった私は、とりあえず、本当に実在する人なのか確かめるべく、朝、遅刻覚悟であのぶつかった場所に、ぶつかった時間に行ってみた。
……いた!
花をしょったイケメンさんは、ほんとに花屋の人だった。
とりあえずこそっと写メ撮って、真紀にラインした。
『ほら、この人』
『え?「海野 貝?」』
『うん』
『を?結構イケメン』
『そやろ?』
『声かけてきな』
『え』
『早く』
『また今度』
『ヘタレ』
『だってなんていうの~?』
『この前パンかじってて、角でぶつかった者です?』
『まあいけど、あんた遅刻じゃない?』
わ!バス行っちゃった!
部長にどやされる……。