好きって伝えさせて
「響」
「ん?」
「あのさ」
「うん」
「鈴菜、フったの?」
「っ…なんでそれを?」
「鈴菜の相談役、私だからさ。」
「そっか。うん…フったよ。」
「なんで?」
「なんででもだよ」
「ふーん…じゃぁさ、響、好きだよ。」
「え…冗談だよね?」
「本気。幼稚園のときから、好きだよ。」
「え…」
「返事は?鈴菜みたいにフルの?」
「っ…」
正直、もうあんな思いはたくさんだ。
鈴菜の泣きそうな顔。
手を振って帰っていく後ろ姿は途中、小刻みに震えていた。
もう、大切な人との関係を壊したくない。
失いたくない。
でも、半端な気持ちじゃだめなんだ。