好きって伝えさせて


僕が1人でぐるぐる考えていると、琴羽が近づいてきた。


「…ねぇ、響。答えをはやく聞かせて?」


琴羽がどんどん近くなる。

僕は思わず後退り、ついに壁までおわれた。


もう、僕の選択はこれしか残されていなかった。


「…ごめん!僕…好きな人、できたから。」


目をつぶって、下をむく。


今、琴羽はどんな顔をしているのか。

…泣いて、たら嫌だな。

そんなことを思いながら、顔をあげると…


「あっははははははは!!!」


吹き出したように琴羽は大声で笑いだした。


「ごめんごめん、響。
あんたマジにしたんだね~
そうゆうとこ、幼馴染みとして好きよ。」


星が出るんじゃないかと思うほど上手なウインクだった。


「いやー!やっぱ面白いね。うん、面白い!」


「…琴羽、怒るよ?」


「わぁー!ごめんね、響!

じゃぁ、琴羽様から良いお知らせだよ!」


「…なに?」


「琴羽ねぇー…彼氏でーきた!」


「え、うそ!?誰!?」


「りゅーーう」


「…あいつか。」


「あいつとはなんだ?響。失礼じゃないか。」


「げ、ごめん、竜」


「琴羽もやりすぎ。」


てへっ!とする琴羽はいつもと変わらないように見えたが、

竜の近くに言って腕を組むところはもうカップルだった。



「え、見てたの!?」


「あぁ」


「はぁ…」


恥ずかしい…
あんな動揺しまくりのところ…


「で、響、好きなやつって?」


「げ、そこも聞いてたのね。」


「ばっちり」


「……ーーーー!部活いくね!ごゆっくり!」


と言い残し、鞄を急いで取って、バタバタと音楽室へ走った。



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