生きたい。
そして病室へと戻る私たち。
「美波…湊くんにはまだいってないの?」
「え?」
「毎日家に来るそうよ。
お父さんはなにも言わずに帰してるそうだけど
湊くんにはちゃんと言いなさいよ?」
「……………うん。
ちゃんと言うから。
でも今は言えない。
湊、お金持ちでしょ?
言ったらきっと来ちゃうと思う。
湊には高校生活、楽しんでほしいの。
だからね、私はこの病気と決着をつけるまで
湊に言わないって決めたの。
だからごめん。
お父さんにはまだ迷惑かけるかも。
謝っといて。」
「……………たまには美波も声を聞かせてあげて。
美波の声を聞いたら安心するよ。お父さんも。」
「うん。
じゃあ転院したら私から電話する。」