生きたい。



「じゃ、また明日な、美波。」


「うん!ばいばい。」


「おう。」


少し遠いのに家まで送ってくれる湊。

湊は愛情表現が下手だけど

私のことをちゃんと好きでいてくれるのがわかるから

私はそれだけで満足なんだ。


「ただいま~。」


誰もいない家。もう慣れた。


前はお母さんがいたんだけどね。

私が中学にあがって家にいることが減ったから

お母さんはパートを始めたのだ。


暇なんだって。


「ただいま!ごめんね、美波!」


「私も今帰ってきたとこだし。」


私より少し帰るのが遅くなっただけで謝るお母さん。

気にしなくて良いのに。


「すぐご飯作るね!」


「うん!着替えてくる~。」


倒れたことは秘密。

言ったら絶対心配するもん。


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