【短】嫌いは好きの裏返し
いつの間にか半歩下がっていた真尋に肩を抱き寄せられ、そう言われたため少しドキっとしてしまった。
「な、なんで桜川さんなんか助けるのよ!なんでいつも桜川さんなのよ!」
「なんでかってそりゃ、……好きな奴にはカッコイイとこ見せたいから。
好きな奴のピンチには助けたいって思うのが普通だろ」
え……、今なんて言った。好きな奴とかなんとか。
「…真尋くんなんて知らない!行こっ」
唖然としているあたしに気付かないまま、ファンの子たちは悔しそうに逃げていった。