【短】嫌いは好きの裏返し





長い長い授業も終わり、放課後。



まとめた荷物を持ち、教室を一人で出た。



ちなみに、クラスには友達がいない。

他のクラスにはいるけど、昨日、今日はその子が委員会の用事があるので一人で帰らなければいけないのだ。



ローファに履き替え、校門をでて見慣れた道をしばらく歩いていると、

「曜(よう)」と後ろから声をかけられた。



心の中でチッと舌打ちを溢す。

後ろなんか向かない。向くものか。



あたしは聞こえないふりをして、そのまま歩き続けていると、

「待てよ、曜」と二の腕を少し強い力で引っ張られたため、これでは向かない訳にはいけなくなってしまった。


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