俺様富豪と甘く危険な恋 ハネムーン編
そんな栞南に「ビキニぐらいで恥ずかしがるとはな。日本の女子高生は団体でビキニを着て歌とダンスを恥ずかしげもなくやるのにな」と蓮は半ば呆れて笑った。

なんで日本から水着を持ってこなかったんだろうとそのとき後悔した。

しかし恥ずかしいのは一番初めだけで、プールの中に入ってしまえば堂々としていられる。

水着になるまでTシャツを着ていればいい。数日も経つと、気にしなくなっていた。

気にするのは日焼けの方で、滞在4日目で式をあげるので、それまでは日焼け止めをこれでもかというほど塗りたくっていた。



栞南はプールからの景色を楽しんでいた。

ヤシの木と海。

ダイヤモンドヘッドが近くに見えて素晴らしい景色だった。

一緒にプールに入ろうと誘った蓮はプールサイドのビーチベッドで頭を高くして横になっている。

お前ひとりで入れと、断られたのだ。寝室へ行かなかったからすねているのかもしれない。そこのところは触れずに、栞南はにっこり笑みを浮かべながら平泳ぎで近づく。

こちらへ来てから食べ過ぎている分を消化しようと、半円形の広いプールで平泳ぎやクロールで泳いだ。

選手並みにキレイなフォームで泳げればカッコいいのだろうけれど、小さい頃にスイミングスクールに通っただけの水泳歴では、それは夢のような話だ。
< 10 / 65 >

この作品をシェア

pagetop